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ブランディング事例紹介|ブランディング・ブランド戦略 [TOPPAN BRAND CONSULTING]

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ハイアールジャパンセールス株式会社様

日本市場にフィットするブランドを目指して

ナショナルブランドがひしめき合う白物家電市場で、中国発のグローバルブランド、ハイアールがとる戦略とは。

ハイアールジャパンセールス株式会社 営業企画部 販売企画 主任 森脇 利行さん

わずか25年で世界の家電市場を席巻

家電量販店などで「Haier」というブランドの冷蔵庫や洗濯機をよく見かけるようになりました。中国の大手家電メーカー、ハイアール様の製品です。

ハイアール様は、1984年、中国山東省青島で誕生。当初は冷蔵庫に特化した製造・販売・サービスを展開していました。「ユーザーは常に正しい」「市場は品質で決まる」という徹底したユーザー第一主義をポリシーとし、高品質な商品を提供してきました。

1990年に入ると、洗濯機、エアコン、小型家電、黒物家電へも進出。最短時間と最小コストで最大成果を上げ、現在、アメリカ、ヨーロッパをはじめ、世界165カ国で幅広く事業を展開し、特に冷蔵庫・洗濯機においては世界でNo.1のシェアを獲得しています。

各国の生活者事情に最適化されたマーケティング戦略

ハイアール様は、ひとつの製品をグローバルに販売するのではなく、各国の市場にあわせたマーケティング戦略をとっています。スピーディな商品開発能力を背景に、その国の文化や風土、消費者ニーズを分析し「その国の人々が求める製品」をつくり出すことで、世界各地で大きな成功を収め、ブランド力を高めてきました。

「ハイアールの方針のひとつとして、現地のことは現地にまかせるという姿勢があります。ハイアールの商品開発は、徹底した市場調査をもとに行っています。日本人のライフスタイルや居住空間を研究し、機能・サイズ・デザイン・カラーなど日本市場向けに独自商品を開発しています」(森脇氏)。

たとえば、ひとり暮らしの人をターゲットにした商品に、容量5kgの洗濯乾燥機があります。5kgという少容量ながら乾燥機能を備えただけではなく、小さな設置スペースのことを考慮し、洗濯カゴを置けるように天面がフラットにデザインされています。こういった細かい配慮も、徹底した消費者ニーズ分析の賜物といえるでしょう。

NBが強い日本市場で成功するために

ハイアール様は、2002年の日本市場進出以来、さまざまな壁を乗り越えながら事業を拡大してきました。

「当初は、販売店様などにおいてもハイアールの認知度が低く、中国の家電メーカーということで安かろう悪かろうというイメージで見られていました。いくつかの販売店様との提携を経て徐々に認知度が高まっていき、8年かかってようやく家電量販店やGMS、ホームセンターなど、ほぼ全国で取引ができるようになりました。地道な活動ではありましたが、評価、信用を勝ち取ってきたものと思っています」(森脇氏)。

しかし、日本という市場は世界の市場と異なり、パナソニックや東芝といったNB(National Brand)の勢力が極端に強い市場です。事実、ハイアール様が販売する冷蔵庫・洗濯機において、NB6社の販売シェアは9割を超えており、ほぼ寡占状態といっても過言ではありません。その背景には、長年NBが積み重ねてきた販売とコミュニケーションの歴史とブランドイメージがあり、この市場で海外のブランドが成功することは極めて困難といわれています。

「今までは、個別の商品や商機に対する販売活動にフォーカスし、広告やキャンペーンを実施していましたが、ハイアールというブランド全体にフォーカスし、お客さまとコミュニケーションすることがありませんでした。しかし、今後NBとの競争がより激しくなるにあたり、日本市場でのブランド戦略が急務であると考えました」(森脇氏)

ハイアール様は、日本市場でライバルとの競争を勝ち抜くために、日本独自のブランドを構築するためのパートナーとして、トッパンをお選びいただきました。その背景には、ハイアール様が求めるスピーディさと総合力がありました。

「ハイアールが創業25年でここまで発展してきたのは、何事によらずスピードをその信条として事業を進めてきたからです。このスピードを追い求めていくためには、PDCAを分断するのではなく一体感をもって推進する必要があり、調査・コンサルテーションから売り場戦略までワンストップで推進できるトッパンさんの総合力は私たちにとって非常に魅力的でした。また、海外のメーカーであるハイアールにとって、POPやプロモーションなど、日本の売りの現場を知っているということは重要でしたね」(森脇氏)。

2010年はブランドコミュニケーション元年

トッパンとのパートナーシップを通じて、日本市場や顧客、競合他社、自社などの分析を行い、ブランド戦略の方向性について徹底的な議論が続きました。

「2009年は、日本におけるハイアールブランドを策定するための1年でした。『くらしにフィットする家電。ハイアール』というブランドメッセージには、機能や価格、デザインなど、お客さまのニーズに応え続けてゆきたいという私たちの思いが込められています」(森脇氏)。

この取組みを通じて、2010年よりハイアール様は新たな局面を迎えることになります。ブランド戦略に基づいた社内外へのコミュニケーション製品企画、プロモーションなど、目指す姿に向けた中長期的な取組みが始まります。

「我々は、2010年をブランドコミュニケーション元年と位置づけ、個別の販促活動に偏重したコミュニケーションから脱却し、中長期的に目指すブランドの姿に向かった事業を推進していきます。トッパンさんからは広告や売り場戦略にとどまらず、社内コミュニケーションや製品開発など全面的に協力するという言葉をいただいていますので、心強いかぎりです。中長期的にともに歩むブランディングパートナーとして、トッパンさんにはとても期待しています」(森脇氏)。

  • 本プロジェクト担当
  • brand consulting, planning & produce
  • 渡邊 研 中山 佳音


※本記事は、ideanote vol.35(2010年1月1日発行)に掲載した内容を再編集したものです。


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